浅い呼吸では、
胸腔と腹腔を分ける筋肉の束である横隔膜が十分に
下方向に動かないので、肺が腹部へ向かって完全に
拡張しない。
その結果、細胞に酸素を運ぶ細かい血管で満ちた
肺の下部がほとんど酸素を受け取れなくなる。
不十分な酸素の取入れを補おうとして心拍数と
血圧が上昇し、心臓血管系が過剰に働く。
対照的に、深い腹式呼吸では、横隔膜が自由に
力強く下方向に動くので、肺の最下部にも
酸素を満たすだけの空間ができる。
その結果、十分な酸素交換が行われる。つまり、
息を吸う間に十分な酸素を取り入れ、吐く間に
十分な二酸化炭素を排出することができるのである。
著書「なぜ音で治るのか?」より。
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